オックスフォードな日々

とあるオックスフォード大学院留学生のブログ

オックスフォードを観光しよう3. おすすめカリッジ10選<前編>

日本人にとって、「ヨーロッパ旅行」と言って思い浮かぶのはフランス、イタリア、スペイン、ドイツ…。いつになってもなかなか「イギリス」という名前が出てこない。「イギリスってロンドン以外に何かあるの?」というのがほとんどの人の感じる部分なのだろう。そんなイギリスのイメージ向上に少しでも貢献できたらとの思いもあり、「オックスフォードを観光しよう!」と題してロンドンからバスで僅か2時間の場所にあるこの学問の街、オックスフォードについて観光の記事を以前に二つ執筆した。

  1. ロンドンや空港からのアクセス
オックスフォードを観光しよう 1. ロンドンや空港からの行き方
オックスフォード大学を中心に学問の都として古くからの長い伝統をもつオックスフォード。数多くのイギリスの首相や日本の皇族がオック...

2. オックスフォード一日観光モデルコース

オックスフォードを観光しよう 2. 一日観光モデルコース
オックスフォード大学を中心とした学問の都としてだけではなく、実は大衆文化の発信の地としても魅力的なオックスフォード。ただ、何も...

あれからもう一年近くたつのだけれど、未だにこの二つの記事の人気は衰えることがない様子。…というよりも、今まで書いてきた100本近くにも及ぶ記事の中で、この二つの記事のアクセス数だけとびぬけている…。そういうわけで、仕方なく続編の記事も書くことに。←

前回はオックスフォードの主要観光箇所を一日で回るモデルコースを紹介したのだけれど、今回はそれだけでは満足できなかった人向け、或いは好きすぎてもっとオックスフォードを知りたいと思ってしまった人向けに「おすすめカリッジ編」と題してもう少しだけオックスフォードを案内する。

 

おすすめカリッジ巡り

オックスフォードと言えばカリッジ。しかしカリッジと言ってもこの場合、一般的な「大学」や「短大」という意味ではない。オックスフォード大学でカリッジと言えば、ハリーポッターでいう寮みたいなもの。

グリフィンドールは勇気あるものが
レイブンクローは知恵のあるものが
ハッフルパフは優しさあるものが
スリザリンはずる賢いものがドール

とホグワーツ魔法魔術学校には4つの寮が登場したが、オックスフォード大学にはなんと38ものカリッジが存在する。以前に「○○カリッジで電球を変えるのに何人必要?」という記事でも書いたように、そのそれぞれのカリッジにはそれぞれの特色があって、それがオックスフォード大学のユニークな文化を生み出している。

ただ、観光客にしてみたら38というこの膨大な数は迷惑な話。今回は前編・後編に分けて、その中から観光におすすめのカリッジ10校を紹介したいと思う。

  1. Christ Church
  2. New College
  3. Magdalen College
  4. Keble College
  5. Queen’s College
  6. Merton College
  7. St. John’s College
  8. Worcester College
  9. Balliol College
  10. St Catherine’s College (バイアス有←)
screen captured at Google Map

screen captured at Google Map

 

1. クライストチャーチ (Christ Church)

image via OXSTU

image via OXSTU

[住所] St Aldate’s, Oxford OX1 1DP  (Google Map)
[設立] 1546
[一般開放時間]
月〜土曜日 – 10.00 – 17.00
日曜日 – 14.00 – 17.00 (最終入場:  16.15)
Christ Church – Opening TImes
[料金]
大人£7-9 / 学生£6-8 (季節によって異なる)
Christ Church – Tickets and Prices

前回の記事でも紹介したが、やはりどう考えても一番人気の「クライスチャーチ」は外せない。映画ハリーポッターの舞台、そして不思議な国のアリスの作者ルイスキャロル(Wikipedia)縁のカリッジ。オープニングアワーは、基本的には朝の10.15am – 4.15pm。ハリー・ポッターの撮影で使われたダイニングホールは11.45 am – 2 pmまではクローズしているので、2pm以降を狙うのがいい。ただ、この時間は季節によっても変わってくるので訪れる前にChrist Church Opening TImesで確認をしておきたい。

クライストチャーチの見どころは主に、ダイニングホールとチャペル。

dining hall

christ church chapel

学生以外は立ち入り禁止のクワッドの中央には池があり、そこでは日本の皇室から贈られた鯉が泳いでいる。

christ church pond

クライストチャーチと不思議の国のアリス – Alice in Oxford

不思議の国のアリスの作者であるルイス・キャロル(Wikipedia)は、本名をCharles Dodgsonと言い、実はクライストチャーチで教える数学の教授だった。そして、アリスのモデルとなった少女も実在し、当時クライスチャーチの寮長であったヘンリー・リデルの娘、アリス・リデルである。クライストチャーチのダイニングホール入り口の上には、彼の肖像画が飾られている。

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ダイニングホールのステンドグラスには、こっそりアリスに出てくるキャラクターが隠れているので見逃せない。アリスのいるステンドグラスの真ん中にいるのがモデルとなったアリス・リデル。他のステンドグラスにも、アリスに出てくるウサギなど色々なキャラクターが見つかる。ちなみに、この懐中時計を持ち歩いて忙しないウサギのキャラクターは、いつも忙しそうにしていたアリスの父・ヘンリー・リデルがモデルと言われる。

また、物語「不思議の国のアリス」は、ルイス・キャロルがアリス・リデルに即興でつくって聞かせた物語がもとになっており、その元ネタらしきものはオックスフォード中で見つかる。例えば、物語の中でアリスの首が伸びる場面があるが、そのヒントになったのはダイニングホールにある暖炉横の彫刻なのだとか。

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クライストチャーチとハリーポッター

クライスチャーチは、映画ハリーポッターシリーズでも有名。例えばハリーたちがホグワーツ入学したときに歩いていた階段は、クライストチャーチのダイニングホールに続く階段。以下のyoutubeクリップの1分20秒あたりで登場する。

他にもいろいろな比較画像が「Harry Potter in Oxford (DO EUROPE)」でも紹介されているので興味のある方は是非。

Stairwell3

ChristChurchdiningHall

こんな感じにクライストチャーチは、ふしぎの国のアリスやハリーポッターのファンにはたまらなく嬉しいカリッジ。

 

2. ニューカリッジ (New College)

image via Wikipedia

image via Wikipedia

[住所] Holywell St, Oxford OX1 3BN (Google map)
[設立] 1379
[一般開放時間]
3月〜10月: 11:00 – 17:00 (最終入場 16:45)
10月〜3月: 14:00 – 16:00
[料金]
3月〜10月:  £4
10月〜3月: 無料
New College: Visiting the Colleges

“New”とは名前ばかり、設立は1379と半世紀以上前の伝統的なカリッジ。城のようにそびえたつ外観は圧巻。ここもクライストチャーチと同様、季節によって観光客の入れる時間帯は変わってくるのであらかじめチェックが必要。

ダイニングホールは2013年に修復を終えたばかり。今までお昼ごはんやフォーマルディナーで何度も来ているけれど飽きのこない場所。

チャペルの壁には彫刻が並び、その反対側にはパイプオルガンがそびえる。

new college chapel
new college chapel2

ニューカリッジの中庭は、実はハリーポッターのコアなファンの中では人気な観光スポット。

image via Harry Potter in Oxford City image via Harry Potter in Oxford City

ハリーポッター第4作「炎のゴブレット」において、マルフォイがフェレットに変えられたシーンはこの中庭で撮影された。そのシーンは以下のyoutubeクリップから確認できる。

 

3. モードリンカリッジ(Magdalen College)

magdalen

[住所] Oxford OX1 4AU
[設立] 1458
[一般開放時間]
10月〜12月, 1月〜6月: 13:00 – 18:00
6月〜9月: 12:00 – 19:00
Visiting Magdalen
[料金]
大人£5 / 学生£4

Magdalenという名前はそのまま読むと「マグダレン」。だけど「マグダレンカリッジ」と発音してしまうとそれはケンブリッジ大学にある”Magdalen College”になってしまう。オックスフォードでは、Magdalenと書いて「モードリン」と呼ぶ。オックスフォード大学学部生の成績をカリッジごとに集計したランキング、Norrington Tableで1位にランクインしていることから、学部においてはオックスフォードで一番頭のいい学生を持つカリッジということになる。ナルニア国物語の作者のC・S・ルイスはモードリンカリッジの卒業生。

MagdalenCollege

ちなみに2014年に発売された「イギリス鉄道でめぐるファンタジーの旅 (KanKanTrip)」という旅行記に、僕の撮ったモードリン・カレッジの写真が掲載されています。←どうでもいい笑

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チャペルでは毎週日曜日の6時から合唱があるので、厳かな雰囲気をより楽しみたい方は是非(The Choir of Magdalen College: Music List)。

magdalen2

ダイニングホールはクライストチャーチやニューカリッジと比べると少し質素な感じ。僕の両親がオックスフォードに訪れた際は、University Roomsを通じてモードリンカリッジ内の寮に宿泊してもらった。朝ごはんをこのダイニングホールで楽しめるので割と満足だった様子。

MagdalenCollege2 image via The Telegraph

他のカリッジにはない一番の特徴としては、カリッジ内には鹿公園があること。どうやら300年以上の歴史があるそうで、鏡の国のアリスの中で「名無しの森」でアリスが出会う小鹿もこれがモデルだという。

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4. キーブルカリッジ (Keble College)

image via Wikipedia

image via Wikipedia

[住所] Oxford OX1 3PG
[設立] 1870
[一般開放時間] 07:00 – 19:00 (Visiting Keble College)
[料金] 無料

オックスフォード自然史博物館(Oxford University Museum of Natural History)の向かいにあるネオゴシック様式の赤いレンガの建物もカリッジの一つ。設立当時、「このデザインはオックスフォードの伝統と景観を破壊する」「世界で一番醜い見た目の建物だ」、とオックスフォード中から非難轟々だったとか。チャペルのドアには何者かによって「これはフェアアイルセーターじゃなくてカリッジだ。(”This is a college, not a Fair Isle sweater.”)」という張り紙まで貼られ、今でもこのカリッジは「フェアアイルセーターを着た恐竜」なんて呼ばれることもあるとか。

image via Wikipedia

image via Wikipedia

特にキーブルカリッジを建てるために土地を提供したセント・ジョンズ・カリッジの学生たちからの非難は激しく、「キーブルをぶっ壊す会」まで設立されたのだとか。キーブルカリッジの友達から聞いた噂によると、入会条件はキーブルカリッジからレンガを一つ取ってくること。そして、とってきたレンガの種類によって会員のランクも変わってくるのだとか。例えば、よくある赤レンガであれば一般会員、数の少ない白いレンガであれば優待会員、そしてほんの少ししかない青いレンガであれば役員になれたのだとか (笑)

またその友達曰く、キーブルカリッジのダイニングホールこそが、実は当初ハリーポッターの撮影に使われる予定だったホールなのだとか。しかし打診してきた制作側に、「校則でダイニングホールの肖像画を外すことは許されない」と伝えた所この話はなくなって、結果クライストチャーチのダイニングホールが使われることになった、という。ちなみにこの話をクライストチャーチの友人に言ってみると、皮肉っぽい笑顔で”They would say (彼らならそう言うだろうね)”、と(笑)

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奥行きだけを比べたら、実はクライストチャーチのそれよりも長くオックスフォードでは一番。だからあながちこのハリポタ説も嘘では無いのかもと思ったりはするけれど、改めてクライストチャーチのダイニングホールの豪華さを目にすると…うーん…どうなんだろう(笑)ちなみにキーブルカリッジは、モードリン・カレッジと同様、University Roomsを通じてカリッジ内の寮に宿泊することが出来る。このダイニングホールで朝ごはんを食べて見たければお試しあれ。

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チャペルも他のカリッジとは全然違った印象なので見物し忘れないように!

 

5. クイーンズ・カリッジ(Queen’s College)

image via Wikipedia

image via Wikipedia

[住所] High St, Oxford OX1 4AW (Google Map)
[設立] 1341
[一般開放時間]
基本的には関係者限定だが、3通りの例外あり。
1. オックスフォード大学の知り合いに入れてもらう
2. University Roomsを通して予約し宿泊する
3. 定期的に開催されているチャペルのサービスに合わせて行く(The Chapel

イギリスと言えばクイーン。クイーンズ・カリッジのクイーンは、英国の最高勲章であるガーター勲章を作ったエドワード3世の王妃、フィリッパ・オブ・エノー(Philippa of Hainault) にちなんでつけられた。僕の所属する研究所の学生の多くは伝統的にクイーンズカリッジに所属している。

セント・ジョージ礼拝堂で輝く菊の御紋。ガーター勲章の歴史
  今 年の2月に、オックスフォードから電車でロンドン方面に一時間ほどのところにあるウィンザー(Windsor)という場所に行って来た。...

チャペルもダイニングホールも、内装はどことなくロンドンのバッキンガムパレスと雰囲気が似ている。

Queen's Chapel

queens1

そして図書館も、クイーンズカリッジの名所の一つ。

QueensLibrary

オックスフォードでは、毎年5月6月の年度末になると、Commemoration ballと呼ばれる晩餐会・舞踏会・パーティーが様々なカリッジで開催される。紳士は燕尾服、淑女はドレスを身にまとって少し気取った一夜を過ごす年に一度の贅沢な時間。オックスフォードに来て2年目にはSt. John’s Collegeのボールに参加し、今年はこのクイーンズ・カリッジのボールに参加してきた。

queensball

クイーンズカリッジは、こういうイベントがとっても似合う。打ち上げられる花火を見ながら、なんだかすごい世界に生きているなぁ、と実感した。

 

後半に続く~

当初の予定よりも相当長くなってしまったので、6~10個目のおすすめカリッジは次回紹介します~。お楽しみに!

 

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ケンブリッジのHajimeさんも、姉妹記事を公開しているので興味のある方はぜひ!↓

 

追記

「グローバル時代の英語教育」さん、記事の紹介ありがとうございます^^

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著者紹介:

高専在籍時にAFSの53期生としてアメリカのオレゴン州で一年間地元の高校に通う。帰国後アメリカのアーカンソー大学フェイエットビル校に編入し2011年に理学士コンピューターサイエンス、2012年に教養学士心理学を修了。2012年秋よりオックスフォード大学にて、博士号課程で計算神経科学を勉強中。色々と大変ですが、常に色んな事に挑戦しながら精一杯頑張ってます。
詳しくは自己紹介ページよりどうぞ^^

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Aki • 2016年7月29日


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Comments

  1. @hogsford 2016年7月29日 - 10:36 PM URL

    オックスフォード観光記事第三弾・おすすめカリッジ編を書きました!ハリーポッターや不思議の国のアリスなど誰でも知っている作品に縁のあるカリッジが沢山あります♪
    『オックスフォードを観光しよう3. おすすめカリッジ10選<前編>』https://t.co/UF9PD0UH0k

  2. Irukun 2016年12月9日 - 10:22 PM URL

    おすすめのカレッジ後編も、楽しみにしているので、書いてください❗️
    よろしくお願いします^ ^

  3. Aki 2016年12月12日 - 2:52 PM URL

    コメントありがとうございます。時間を見つけて早めに更新したいと思います^^;

  4. ピンバック: ケンブリッジを観光しよう!おすすめ一日観光名所モデルコース前編 | はじめのすすめ

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