オックスフォードな日々

とあるオックスフォード大学院留学生のブログ

初めての講演。

今週は、オックスフォードのCentre for Neural Circuits and Behaviourという研究所が主催のNeuro-Theory Forumで講演をしてきました。このフォーラムは隔週で計算神経科学の研究者を招待する講演シリーズ。自分の研究室からは去年ポスドクの人が招待されて講演してたのですが、まさか自分がそこで同じことすることになるとは思っても見なかった(笑)

 

事の発端は

11月のある日突然、その主催者から自分宛に一通のメールが。

わけも分からずメールを開いてみると

「君の研究室のPIから、君がNeuro-Theory Forumでの講演を引き受けてくれる気があるという話を聞いたのですが、・・」

と始まっていた。

え?笑

・・いや、そんなこと一言も言っていないんだけど・・・^^;

でもそう考えながらふと思い出した。

以前に先生が「来週ロンドンでお偉いさんに研究について話すけど君も参加するかい?」というので「あんま自信ないからいいです」と答えたら大爆笑して「それなら行くことに決定だ。」と、となってしまったことを。

今回もおそらく、直接「引き受けてみないか?」と聞けば、なんだかんだ理由をつけて断るだろうとふんだのだろう・・。・・あぁ、この先生自分のことよく分かってるわ・・、と苦笑いをしてしまった。

この講演、時間は一時間なんだけれど「講演が一方通行にならないように」とスライドは三枚まで。

聞きに来る人は基本的には似た分野の研究をしている人ばかりだから少ない説明でも理解してくれるのだろうけど、でもそれは同時にプレッシャー。

この分野を知らない人相手なら、この前の「新入生に向けた研究プレゼン」みたいに印象重視でなんとでもなるけど、こっちはそんなおふざけしてられないのでヒヤヒヤ。

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「自分の話なんて、誰もわざわざ聞きにこないさ!」と言い聞かせていたのだけれど、Oxford Neuroscienceでしっかりと広報されてて数日前から焦り始める・・。笑

一方で、論文の期限も迫ってるし、受け持っているチュートリアルのエッセイの採点や授業の準備に追われてて、なかなか準備する時間が取れない・・。

チュートリアル(個人指導)を受け持つ
去年の暮。指導教官に突然呼び出されてこう言われた。 「来学期から計算神経科学の学部コースが始まる。君にはチュートリアルを受け...

 

だから全く違う専門をやっている友達が「聞きに来て欲しい?」と言ってくれたけど、嫌な予感しかしなくて「来なくていい!」と。笑

 

講演当日

そして迎えた当日。

結論を言えば、自分が喋るだけの一方的な講演よりも、今回みたいなあちこちから質問が飛び交うような方が好きだと思った。一方的な形式だと聞いている人達と自分がどの程度の知識を共有しているのかが測りづらくて、何をどこまで話していいのか分からなくなってしまうことがよくある。でも今回の場合は、一応原稿は作っていったものの、序盤から色々質問があって脱線したり予定と順序変わったり方向修正の連続。だけど、そのおかげでお互いにとって意味のある時間になった気がする。最初は不安で仕方がなかったけど、楽しみながら講演できてよかった。

それから、サプライズで知り合いの人も来てくれて、講演が始まる前の緊張もほぐれた。雨で風も強い中わざわざ興味もなかった話を聞きに来てくれたことがなんだかとっても嬉しかった。

同じ学部で全然違う研究をやっている仲の良い友達も聞きに来てくれていて、講演の後に面白い共同研究ができるかもしれない!と盛り上がることもできてよかった。

 

近況と心境

最近、学生を受け持つようになったり、講演したりと、少しずつ研究者の道を歩みだしてる気がする。ここ数日ほとんど寝ること出来なかったしこれからまだしばらくそういう日が続きそうだけど、こんなことをずっと続けてきている研究者の人たちってやっぱりすごいなぁ、って改めて思った。忙しくなると自分のことだけで精一杯になって他事なにもできなくなる不器用さを早く克服しなくちゃ。

研究に没頭していると、たまに我に返った時にふと一人ぼっちに感じてしまうことがある。
だけど、ちょっと落ち着いて見渡してみれば、ほんとは一人じゃない。純粋に心から応援してくれている色々な人達がいるから、一所懸命頑張れる。

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夢を見ながらも、こつこつと自分の畑を耕せる人でありたいもの。

 

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著者紹介:

高専在籍時にAFSの53期生としてアメリカのオレゴン州で一年間地元の高校に通う。帰国後アメリカのアーカンソー大学フェイエットビル校に編入し2011年に理学士コンピューターサイエンス、2012年に教養学士心理学を修了。2012年秋よりオックスフォード大学にて、博士号課程で計算神経科学を勉強中。色々と大変ですが、常に色んな事に挑戦しながら精一杯頑張ってます。
詳しくは自己紹介ページよりどうぞ^^

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Aki • 2014年2月8日


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Comments

  1. 鉄火のマキ 2014年2月9日 - 12:07 AM URL

    1. 祝初講演
    初めて講演をされたのですね。Akiさんのお話を聞いて、ある人から「人前に出て緊張するのは自分を良く見てもらいたいという欲があるからであって、勉強や労働の目的が他の人のためであれば緊張しないんだよ」という話を聞いた事を思い出しました。

    「純粋に心から応援してくれている色々な人達がいるから」という気持ちが力になるんですよね。うちの子は家を出ましたがたぶん分かっていないだろうな…
    http://ameblo.jp/tekkanomaki/

  2. Aki 2014年2月9日 - 10:57 PM URL

    2. Re:祝初講演
    >鉄火のマキさん
    お祝いの言葉有難うございます。確かにそういう側面はあるのではないかと思います。自分の場合はいつもどんな小さな学会発表の前でも緊張して仕方がないのですが、一旦始まってしまうと「もっと時間が欲しい!」と思うくらい楽しんでいることが多い気がします(笑)
    うまく行かなかった時は、失敗したことよりも相手の時間を無駄にしてしまったことに落ち込んでしまいますし^^;

    「心から応援してくれている人がいる」ということは、分かっていて感謝していても、なかなか改まって伝えることの難しい気持ちなのではないかな、と思ったりもします。
    僕も親からのメールになかなか返事ができていませんが、一杯一杯な時ほど、「今日は雪でした」とかそんなどうでもいい内容に笑わされ、肩の荷が下り、そしてそれがくれる力に気づかされるものです。追い詰められるとつい自分は一人っきりだと錯覚してしまいますが、内容はどうであれ「気にかけてくれている人がいる」という事実を思い出して「よし、でもう少し頑張ろう。」となれます。きっとマキさんのお子さんも、同じように感じながら頑張っているのではないでしょうか。と勝手に想像してしまします^^

  3. はる 2014年2月17日 - 4:29 AM URL

    3. はじめまして!
    はじめまして!
    はるといいます。
    色々な学問を勉強されてると存じますが、アメリカで心理学を勉強されていたのですか?
    どんな経緯で今オックスフォード大学で勉強されているのかとても興味があります!
    どうやってオックスフォード大学に入学したのかも気になるのでよかったら教えてください(。ω。;)

  4. Aki 2014年2月17日 - 11:41 AM URL

    4. Re:はじめまして!
    >はるさん
    はじめまして。はい、アメリカではコンピュータサイエンスと心理学を勉強していました^^ ずっと人工知能に興味があって、実際に幼児がどうやって言語を習得するのか学びたくて発達心理学をやっている研究室で実験していました。
    大学院からはそういった経験をいかせる学際的研究をしたくて、アメリカ、カナダ、イギリスから一校ずつ受験しました。合格をもらったカナダの学校と迷ったのですが、自分のやりたい研究はどちらかを熟考した結果、オックスフォード大学を選ぶことにしました。
    受験の時の出来事に関して過去に記事を書いているので興味があればどうぞ^^ http://ameblo.jp/hogsford/entry-11502341230.html

  5. はる 2014年2月17日 - 9:06 PM URL

    5. Re:Re:はじめまして!
    >Akiさん
    返信ありがとうございます!
    過去の記事全部読んじゃいました笑
    自分は今年からイギリスの大学で心理学を学ぼうと思ってます(^^)
    発達心理学は僕もとても興味があります!

    またまた質問で申し訳ありませんが、Akiさんはどうやってアメリカの大学で二つの学士号?を取得したんですか?

    忙しい中すみません!暇な時にでも返信してくれたらありがたいです(。ω。;)

  6. Aki 2014年2月20日 - 10:25 PM URL

    6. Re:Re:Re:はじめまして!
    >はるさん
    イギリスの大学ですか。そうするとアメリカの大学とはまた大分違った環境になりますね^^
    アメリカの大学において、複数の学士号を取得することはそこまで難しいものではありません。以前に「研究者へのステップとしての学部留学のススメ」(http://ameblo.jp/hogsford/entry-11609015981.html )でも書きましたが、アメリカの大学では入学時に申請する専攻は日本におけるそれと比べて非常に柔軟です。アメリカの大学では、学生は専攻を容易に変更することが出来、またダブルメジャーやダブルディグリーの修得を目指すという選択肢も最初から与えられているのです^^

  7. なおき 2014年4月22日 - 6:30 PM URL

    7. はじめまして!
    とてもすてきなブログですね!私も今年大学受験生なのですが、海外進学の道も考え始めました。不安でいっぱいで、周りに相談できる人がいないのでとても参考になります(^ ^)迷わず読書登録させていただきました。更新楽しみにしています!
    http://ameblo.jp/naoki-meow/

  8. Aki 2014年4月22日 - 10:49 PM URL

    8. Re:はじめまして!
    >なおきさん
    はじめまして!最近全く更新できてませんがよろしくお願いします^^

  9. コメントを残す

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