オックスフォードな日々

とあるオックスフォード大学院留学生のブログ

【読書記録】ロボコン イケてない僕らのイカした特別授業(ニール・バスコム著, 松本剛史訳)

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アメリカ文化がずっと称えてきたものは、プロスポーツ選手や映画スター、そして最近まではウォールストリートの金融家たちだった。だとすれば、科学やテクノロジー、工学や数学を勉強し、将来その道に進もうとする子供が少ないのもむりはない。けれどもこの世界選手権には、今シーズン四万二千万人の高校生が、過去の常識とは全く違う価値観を称えるために参加してきた。


工具ベルトとつなぎに身を固め、歯車比やコンピュータコードの話をする高校生たち。自分たちのロボットが目の前のフィールドを動き回るたびに、ぴょんぴょん飛び跳ね、悲鳴や雄叫びをあげ、泣き、笑い、ダンスを踊る。彼らと、そして彼らに声援を送る何万人者ファンたちが賛美するもの、それは発明と知性だ。

人々が我を忘れて熱狂するもの、それはハリウッドスターでありプロスポーツ選手であり、億万長者になった起業家であり、しかし悲しむべきことはその熱狂がアカデミーに向けられることは殆ど無い事実である。それはそこで名も知られず身を削って戦う彼らこそが、国家の成長を根幹から支えそして本来真っ先に称えられるべき者達であるからだ。このドキュメンタリーはそんな彼らにスポットライトを当てる。彼らの格好良さを語るためには、多くのスターが必要とする感動的な作り話など必要ない。彼らの格好良さはすべて真実にある。科学やテクノロジー、工学や数学こそが称えられる有るべき未来を垣間見せてくれる胸の熱くなる一冊。


著者紹介:

高専在籍時にAFSの53期生としてアメリカのオレゴン州で一年間地元の高校に通う。帰国後アメリカのアーカンソー大学フェイエットビル校に編入し2011年に理学士コンピューターサイエンス、2012年に教養学士心理学を修了。2012年秋よりオックスフォード大学にて、博士号課程で計算神経科学を勉強中。色々と大変ですが、常に色んな事に挑戦しながら精一杯頑張ってます。
詳しくは自己紹介ページよりどうぞ^^

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Aki • 2014年8月13日


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