An Idiot Abroadでイギリス英語に慣れる〜世界を旅する無知と無恥
イギリスに来てからイギリス英語に思いの外苦戦したので、すぐに買ったのがイギリス英語のコメディのDVD。
アメリカ留学の頃の友達に、「イギリス英語に耳を慣らしたいんだけど、なんか面白いのない?」と聞いたらRicky Gervaisの“The Office”を教えてくれて、それが最初に見たシリーズ。
これは2001年にイギリス大ヒットしたドキュメンタリー調のコメディドラマ。
舞台はとある会社のオフィス。実際は滑りまくってるのに自分のことを面白いと信じてやまない上司にオフィスの仲間たちが振り回されるお話。
正直大爆笑する様な内容ではないんだけど、全く空気を読めないその上司が余りにも痛々しくて、見ている人は苦笑いしてしまう。
面白いと思ったのが、これがイギリスで大ヒットしたということ。
「空気を読む」という文化は、日本人は割と「日本人特有」みたいに考える人が多いようだけれど、そんなことは全くないことがよく分かる^^
一つ例をあげると、とあるエピソードでその上司は上から部下を解雇するように命じられた。
そして一方で彼の昇進は約束された。
この話を部下に伝える時、何を考えたか彼は
「良いニュースと悪いニュースがある。」
と話し始めてしまう。
部下は「彼らが解雇になる」という悪いニュースを先に聞きショックを受けながらも、だけど「いいニュース」の方に期待して耳を傾ける。
珍しく注目されたその上司は喜んで、「いいニュースは僕の昇進が決まったことだよ!いぇーい!」とやって完全にドン引きされてしまう。
・・・こんな様な気まずさが始終漂うドラマ。
あとこのシリーズを見ながら、イギリスでは解雇のことをlaid offではなくてgot made redundantって言うんだー。とかTVの事をtellyって言うんだー。とか何気に勉強になった。笑
そしてその後、脚本演出のRicky Gervaisに興味を持ってyoutubeとかで調べてみたらそのstand-up comedyが面白くて仕方がない!
ちょっとだけ一部を紹介すると、この「ノアの方舟」の話とか。
「ノアの方舟」の子供用絵本を色々な風に茶化すんだけど、間の取り方とかが絶妙!
彼は上の動画を見ても分かるように、宗教、人種、同性愛とか、割とsensitiveな問題を躊躇なく茶化すから度々問題になることも多いけど、それこそが彼の面白さ。日本で言えば、昔のビートたけしみたいなカテゴリー。
その流れで”Learn English with Ricky Gervais“という動画で彼の仲間の一人、Karl Pilkingtonを知ってこれが自分の中でヒット笑
本人はいたって真面目なんだけど、言うことすること全部が面白い。
口癖の”All right”も好き。
上の動画はパイロット動画で、もし人気が出て資金が得られたらシリーズ化したいとのこと。
是非、してほしいもの!
そうしてKarlつながりで買ったのが彼が主演の”An Idiot Abroad“のシリーズ1,2のDVD。
このシリーズいいわー。
まぁ、インド編とか全裸の魔術師とか出てきたり何度かドン引きもしたけど、基本的にとっても面白い。
学校から疲れて帰ってきては、ご飯を食べながらこれを見てケタケタ笑いまくってたw
“An Empty, Round-Headed, Shaven, Chimp-Like Buffoon” なKarlを、Rickyとその仲間のSteveが世界中に送り出すという企画。
Karlは「快適な自分の国にずっと居座っていたい、世界なんて興味もないというそんな典型的なイギリス人」で、それなのにRickyたちに無理やり世界中に送り出されるからこそ、彼の視点で見る世界は相当面白い。
基本的にそうやって他の国の文化を面白おかしく取り扱うのは好きじゃないのだけど、このシリーズの絶妙なところは「馬鹿役」のKarlがそれぞれの文化で様々な奇妙な経験をするという構成からか、それぞれの文化を「馬鹿にしている」という様な嫌な後味をほとんど感じさせない所。
例えばシリーズ2で日本に行くエピソードもあるんだけど、こんな感じ。
普通の人とは考え方が全く違う彼の目から見る世界だからこそ、面白い。Karl好きだわー。
今年はRicky Gervaisの”Derek“というTVシリーズが始まった。
老人ホームを舞台にした物語なんだけど、知的障害を抱える主人公のDerekをRickyが演じるという事から放送が開始される前から色々な所で議論を呼んだ。
それもそのはず、彼のコメディでは頻繁に障害者や老人が笑いのネタにされたりもするから。
だけど実際に始まってみると、これが悔しいけど、うまいこと心温かくなる良いドラマに出来ている。
流石。
エピソード1,2までしか見れてないけど、DVDが出たらこれも買って全部見たい所。
こんなのばかり見てたら、僕のstudy abroadがidiot abroadになりそうだけど、
・・コメディを見ながらイギリス英語に慣れるのは楽しいし続きますよ!お薦め!笑
ちなみに、英語の初心者には、イギリスの子供用アニメ「ペッパ・ピッグ」もすごくおすすめ。興味があればこの記事も読んでみてください^^
追記
最近だと「世界を旅する無知と無恥」という邦題で、NetFlixで字幕付きでも見れるみたいなので是非^^
著者紹介:
高専在籍時にAFSの53期生としてアメリカのオレゴン州で一年間地元の高校に通う。帰国後アメリカのアーカンソー大学フェイエットビル校に編入し2011年に理学士コンピューターサイエンス、2012年に教養学士心理学を修了。2012年秋よりオックスフォード大学にて、博士号課程で計算神経科学を勉強中。色々と大変ですが、常に色んな事に挑戦しながら精一杯頑張ってます。
詳しくは自己紹介ページよりどうぞ^^





ブルン 2013年4月7日 - 3:28 PM URL
1. 空気を読むイギリス人
「空気を読むイギリス人」ってことで、英国在住脳科学者K氏のこのブログ記事に非常に共感したのを思い出しました。 http://kanair.cocolog-nifty.com/blog/2010/04/post-5206.html
http://ameblo.jp/brunn/
Aki 2013年4月7日 - 4:37 PM URL
2. Re:空気を読むイギリス人
>ブルンさん
この記事はとてもおもしろいですね!
僕の感じていたこととを更に掘り下げて分析して、それを的確に指摘してくれていてなんだかすっきりしました。最後の追記でthe Officeの話が出てきた時は笑ってしまいました^^
とても興味深い記事の紹介、ありがとうございました。
http://ameblo.jp/hogsford/
かなこ 2013年4月7日 - 7:23 PM URL
3. はじめまして!
はじめまして!
楽しくブログ読ませてもらってます。
自分はアメリカの大学に進学したいと思っている高2です。
なので、お忙しいとは思いますが、Akiさんのアメリカでの話や高校時代の話を教えていただければ嬉しいです!
http://ameblo.jp/lemon-bep28/
Aki 2013年4月7日 - 9:13 PM URL
4. Re:はじめまして!
>かなこさん
はじめまして。コメントありがとうございます。
はい、アメリカの頃の話もこれから少しずつ書いていきますね。
アメリカの大学への進学、応援しています^^
http://ameblo.jp/hogsford/