AFS高校留学の頃「走れた」からうまくいった
イギリスもようやく暖かくなってきたので、久しぶりに朝ランニングを始めることにしました^^
すっかり体力が落ちていて思うように走れないし体もあちこちが痛くなって散々だったけど、なんだかとっても懐かしい気持ちに・・・。
小 学校の頃から走ることは好きだった。一周がたったの80mのトラックでよく友達と競争したし、当時遊びといえば泥警で、あの頃は走り回ってた記憶しかな い。そして中学の陸上部で、100mを12秒台で走る友達を「面白い走り方してるなー。」と観察して真似していたらいつの間にか自分も12秒台で走るよう になっていた。それ以来、走ることには少しだけ自信をもっている。
高校でオレゴンに留学した頃、これがとっても役に立った。実を言うと当時、僕は英語がてんでダメだった。渡米前に受けたTOEICはたったの430点。AFSの高校留学に必要なSLEP試験も2回も落ちている・・・^^;英語の先生に「彼は点数が満たないけど、やればできる子なのでお願いします。」という推薦文まで書いてもらって、それを提出する寸前でやっと合格して無事渡米できたという残念な過去を持っている。笑
AFSは、高校生のためのボランティアでなる留学支援団体。 これはAmerican Field Serviceの略称で、その名の通り元々はアメリカ野戦奉仕団として誕生し、後に「国際交流を通じて平和な世界を作らなくては」との思いから各国の高校 生の交換留学を支援する団体になったという歴史を持つ。留学が決まると、主にAFS卒業生の大学生ボランティアによる合宿オリエンテーションがあって、参 加する高校生達はその数日間で一気に見違えるほど成長する。若さに満ち溢れ、夢に目を輝かせ、恐れ知らずで感情豊かなあの時期だからこそ、彼らがそこで得 るものはとてつもなく大きい。僕も未だにあの頃のことを思い返すと胸が高鳴る。
まぁ、そんなこんなで僕はオレゴン州のとある高校に留学することになった。3歳年下のホストブラザーと、5歳年下のホストシスター、そしてその両親の家で10ヶ月間のホームステイ。彼らももちろん全てをボランティアでやってくれている。そんなホストマザーの提案で、新学期が始まる前から山道を走り回るクロスカントリー部に入部することに。とっても緊張しながらも、勇気を振り絞っておしゃべりしている高校生たちの輪に入っていった日々を思い出す。皆早口で何を言っているのかさっぱり分からなくて、いきなり不安に押しつぶされそうになった。
そんな不安から救ってくれたのは、「走れる」というちょっとした特技だった。最初の学校対抗の大会でいきなり入賞してしまったため、今まで僕に全く感心も示さなかった人たちまで口々に”Aki!!!!!!“と集まってくるようになったのだ。自分の英語の出来なさに一番落ち込んでいた時期だったからこそ心の底から嬉しかった。相変わらず彼らが何を言っているのかよく分からなかったけど、それ以来、遠くからでも僕を見つけると「Aki!!!」と大声で呼んでくれた。それを聞いたその友だちの友達が「彼は一体誰だい?」となって、今度は彼らも僕の名前を呼び始めたものだから廊下を歩けば知らない人にも「Aki-!」って声をかけられて、なんだかとっても面白おかしかった。笑
留学も中盤に差し掛かった頃、そんな楽しい仲間たちに「バスケのシティーリーグに一緒に出ないか」と誘われて参加した。彼らは毎年”○○ tacos”というチーム名で参加していたんだけど、この年、彼らがつけたチーム名は”Aki’s tacos.” 結局優勝は出来なかったけど、こんなに楽しい時間はなかった。10ヶ月はあっという間に過ぎ、帰国が迫ると今度は沢山の友達が集まってお別れ会を開いて くれて「こんなに幸せでいいのかな。」と本気で思ったほど。もちろん辛いこともいっぱいあったけど、そんな時はいつもホストファミリーが親身に相談に乗っ てくれて、彼らには感謝してもしきれない。
自分にもいつか子供が出来たら、こんな経験をさせてあげたい。言語の壁はあっても、同じ事を笑いあえればそれだけで心が通じ合える。「走れた」だけで人気者にになれた。「大学受験に響くから」とか「留学なんて大学行ってからすればいい」と言う人は多いけど、僕がこういう経験を出来たのは高校留学だったからこそと思っている。こんな貴重な経験をさせてくれたAFSにはいつかきっと恩返しをできたらと思っている。
当時のmixiを読み返してみたら、出発前にこんなことを書いててとっても懐かしくなった。
「10ヶ月という長いようで実はそうではない期間の一日一日を本当に大切に過ごそうと思ってます。この留学は語学力をあげるためだけのものではなく、自分を色々な意味で成長させるきっかけだと思っているからです。
ど うしたら1日1日を大切に過ごせるか。僕はそのために、毎日何か一つ小さな目標を作ろうと思います。例えば「今日は隣の席の友達に話しかけてみる」とか 「授業中に発言してみる」とか。日本だったら目標にもならないようなことですが、全部が英語の世界だとこんなことも結構大変なんだろうな、と思っていま す。
僕が取りあえずの目標としていることは「恥を捨てること」「失敗を恐れない勇気を持つこと」。何か大きなことをしようと思う時、自分の一歩を阻むのはいつも人の目線であったり失敗を恐れる心なんです。だから、そう言う時こそ自分を奮い立たせる勇気、それを身につけたい。
日 本人って、何かする時「一番最初は嫌だ。」って人が多いですよね。僕もその1人ですが、その一番最初を喜んでできるような人になりたいと願っています。ア メリカの同じクラスに知り合いなんかいないんだし、何もしないで暗くなるよりは何か失敗して笑われる方が良いに決まってる!ってそう考えることにします。
最近はそう言うチャンスがあったら積極的に挑戦するように心がけて来てるんですが、やっぱりとてもドキドキします。自分を躊躇させる思いがどうしても強くあって、でも一番の決め手は「日本で出来なくてアメリカで成功できるわけない。」って言い聞かせて頑張っています。
あーー、なんか、いつも通り全然まとまりのない文をこの日記に書き綴って出発するんだなぁ。逃げ道はない。自分で選んだ道だし。死ぬ気で頑張って、そして楽しんできます。」
・・・若かったな・・。笑
この言葉を今の自分にも言い聞かせて、もう少し頑張りたいと思います^^;
著者紹介:
高専在籍時にAFSの53期生としてアメリカのオレゴン州で一年間地元の高校に通う。帰国後アメリカのアーカンソー大学フェイエットビル校に編入し2011年に理学士コンピューターサイエンス、2012年に教養学士心理学を修了。2012年秋よりオックスフォード大学にて、博士号課程で計算神経科学を勉強中。色々と大変ですが、常に色んな事に挑戦しながら精一杯頑張ってます。
詳しくは自己紹介ページよりどうぞ^^




