オックスフォードな日々

とあるオックスフォード大学院留学生のブログ

1956年-祖父のアメリカでの足あと

アメリカのウェブサービスに、ancestory.comというものがある。その名前からも容易に想像がつくと思うのだけれど、これは自分の「ご先祖探し」のウェブサービス。自分の親族の名前や生年月日などを検索してみると、過去の国勢調査など一般公開になっているありとあらゆる資料の中で一致していると思われるものが発見できる。

これはアメリカのサービスなので当然ながら日本に住んでいた日本人の情報をここで得ることはできないのだけれど、興味本位でちょと試してみると・・・、なんと自分の祖父らしき情報が!いくつかそれらしいものが出てきたけれど、無料会員だと1つだけしか資料をダウンロード出来ないとの事だったのでその中から一番それっぽいものを入手してみた。

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これによると、この自分の祖父らしき人物は、1956年の2月24日に、今は無きパン・アメリカン航空の機体でLos AngelesからSan Franciscoに移動しているという。1956年というと父も産まれる前。この同姓同名の人物は本当に僕の祖父なのだろうか・・。

今、日本にいる家族は丁度お盆休みで帰省していると知って、Skypeでビデオチャットをした。祖母はパソコンのスクリーンに映る僕の顔を見て「魔法みたい」と驚きながらもとても嬉しそう。その時に、この搭乗記録のことを「突然変なこと聞くけど、お爺ちゃんって1956年にアメリカに行ったりした?」と聞いてみた。すると、すぐに「カリフォルニア」と彼女は言った。1956年に祖父は確かにアメリカに渡ったという。当初は3,4年滞在する予定だったのだけれど、父の誕生を知って1年と経たずにとんぼ返りしてきたと嬉しそうに彼女は語った。そして昔の写真を引っ張り出してきてスカイプ越しに見せてくれた。

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お爺ちゃんもお祖母ちゃんも、そしてお父さんも(笑)若い!時の流れって本当に不思議なものだよなぁとしみじみと感じてしまう。

実は僕は祖父のことをあまり良く覚えていない。僕の名前をつけてくれたのは彼だし、幼い時に沢山お世話になったというけれど、残念ながら殆ど覚えていない。物心がついた頃には彼はもう病院のベッドの上だったし、「面白いことを言って皆を笑わせるのが大好きだった」とか「スポーツ万能でとても努力家で、とても知的だった」という彼のことを僕は何も知らない。そして、中学生の時、彼はそのまま遠くに行ってしまった。

その年に帰省した時、父は僕にそんな祖父の話を色々と聞かせてくれた。祖父の同級生に言わせれば、彼は飛び抜けて頭がよく、いつも皆の中心で、地元では誰もが彼を慕っていたという。しかし祖父は兄を戦争で失い、家計を支えるために大学にいくことを断念せざるを得なくなった。彼は勉学を続けたかったけど、運命がそれを許さなかった。そんなこともあってか祖父は、「ハーバードでもオックスフォードでもお前が勉強したいならどこでも行け」と父に言っていたそうだ。だけどそれに必要な出費を考えると、それは余りにも非現実的なことだった。そんな事を話してから「だけどな、」と父は言った。「今の俺なら同じ事をお前に言うことが出来る。」「そして、お前なら親父の夢を叶えられる。」と。

あれから10年。僕は今、オックスフォード大学で勉強している。たまに一人きりに感じて寂しくなることもあるけれど、きっと祖父も天国から応援してくれているはず!と思うと「もう少し頑張ろう」という気持ちになれる。そんな風に色々な人の思いに支えられながら、今日も頑張っているのです。

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著者紹介:

高専在籍時にAFSの53期生としてアメリカのオレゴン州で一年間地元の高校に通う。帰国後アメリカのアーカンソー大学フェイエットビル校に編入し2011年に理学士コンピューターサイエンス、2012年に教養学士心理学を修了。2012年秋よりオックスフォード大学にて、博士号課程で計算神経科学を勉強中。色々と大変ですが、常に色んな事に挑戦しながら精一杯頑張ってます。
詳しくは自己紹介ページよりどうぞ^^

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Aki • 2013年8月13日


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Comments

  1. ブルン 2013年8月14日 - 12:10 午前 URL

    1. いいですね~
    なんだかお盆の季節ににふさわしいというか、
    ほのぼのするお話ですね。(^^)

    うちも夫の父親(Akiさんのお祖父さま世代)が
    英国領香港生まれで、あちこち海外出張の多かった人なので、もしかしたら何か出てくるかもしれませんね。

    http://ameblo.jp/brunn/

  2. Aki 2013年8月14日 - 6:42 午前 URL

    2. Re:いいですね~
    >ブルンさん
    この発見には父もとても喜んでくれて、なかなか良いサプライズでした。笑
    海外出張の多かったような方ですと沢山出てきそうですね!
    僕はこれをきっかけに、先祖のルーツ探しも面白そう!と少し興味が湧いて来ました。日本に帰る度に少しずつ探っていこうかな、とか考えたりしています。笑

  3. K 2014年7月4日 - 12:42 午前 URL

    3. 世代を超えて実現❣不思議な因縁❣
    この文章の搭乗者名簿、この名が記載されたものを目にした時本当に驚き!流石はデータ&ファクトを重んじる欧米❣併せ親父が口癖のように言っていたあんな凄い国と大きな戦争して勝てる筈がナイ❣あんな大きな戦争に負けて何を小さい31904事言っているんだ!~。親父は絶対勝つと国民全体を信じ込ませこてんぱんにやられた戦争を恨むと共に自らの眼で勝利国の実態を見て見たかったのではなかろうか?半ば自嘲気味によく言っていた–大きな戦争に負けて云々の一節–が今も思い出される❣でも単身あの戦後間もない時に米国に乗りこんだ親父は誰が何と言おうが凄いよね!親父が私に口癖の様に語っていた大学のハーバードとオックスフォード❣それら二つを米国一番と英国一番と現地現物主義で見聞きした彼はやはり凄い!今でも心から尊敬敬愛しています❣

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