オックスフォードを観光しよう 2. 一日観光モデルコース
オックスフォード大学を中心とした学問の都としてだけではなく、実は大衆文化の発信の地としても魅力的なオックスフォード。ただ、何も知らずに訪れただけでは、この街の魅力はきっと伝わらない。そんなわけで、前回から何回かにかけてオックスフォード観光紹介に関する記事を書いています。
2. オックスフォード1日観光モデルコース (この記事)
3. もっと知りたいオックスフォード:おススメカリッジ編<前編>
前回は「ロンドンや空港からのアクセス」と題して、海外・旅行初心者向けにアクセス情報を紹介しましたが、今回からはオックスフォード一日観光のモデルコースをいくつか紹介していきたいと思います。
これだけは見逃せない!オックスフォードの一日観光モデルコース
今までに何人も友達のためにオックスフォード案内をしていますが、僕の悪い癖は全部見せたくてついつい詰め込みすぎてしまうこと。というわけで初回は、メインどころだけを回りたい人のためのとってもスタンダードなモデルコースから。
- Gloucester Green (google map)
- Ashmolean Museum (google map)
- Blackwell’s Bookstore (google map)
- Sheldonian Theatre (google map)
- Bridge of Sigh (google map)
- Radcriff Camera (google map)
- St. Mary’s Church (google map)
- Covered Market (お昼) (google map)
- Alice shop (google map)
- Christ Church (google map)
- Christ Church Meadow (google map)
- Formosan Tea bar (カフェ) (google map)
まずはオックスフォードの地図を見てみましょう。
オックスフォードの中心街は2km四方くらいに収まる程度の大きさ。端から端まで20分位で歩ける距離。赤い矢印が電車の駅、青い矢印がOxford Tubeの終着点、そして緑の矢印がOxford TubeのHigh Street (Queen’s Lane)駅。
今回はOxford Tubeの終着点、Gloucester Green からのスタートと仮定。
市場を通り過ぎて大学博物館の方面へ
バスを降りたら、バス停の隣の(1)Gloucester Green広場 (google map)へ。この広場では、水・木・土曜日であれば、マーケットが開かれていて賑わう。肉まんや餃子とかも売っているので日本の味に飢えている人にもおすすめ笑
- Wednesdays – General market, all types of traders welcome
- Thursdays – Antique, Vintage, Art & Craft
- Saturdays – Funky Food, Crafty Craft, all things Vintage & Arty
この広場を突っ切って、左に曲がって北上すると、Beaumont St.に出る。右に曲がってしばらく歩くと、左手に見えてくるのが(2) Ashmolean Museum (google map)(Wikipedia)。ここは、世界最古の大学博物館として有名。入館料は無料で、10am – 5pmまで。月曜日だけはお休み。ここの地下には無料のロッカーもあるので、荷物のある人は一旦ここで荷物を預けてからオックスフォード観光をするという手もある。
image via www.ox.ac.uk
Ashmolean Museumの向かいにそびえるビクトリアンゴシックスタイルの迫力のある建物は、Macdonald Randolph Hotel (google map)という5つ星ホテル。1964年に開業し、人気テレビシリーズの「主任警部モース」でも何度か登場している。2015年に火事が起きて大騒ぎになったけど、また営業を再開したとのこと。もちろん貧乏学生には無縁の話。笑
image via Britain from above
ブラッディー・メアリーに火あぶりにされた3人の司祭
そのホテルを通り過ぎると、Beaumont StはMagdalen Stと交わる。すると、Magdalen Stともう一本先のMagdalen St Eastとの間の小さな広場に、Martyrs Memorial (google map)という碑がみえてくる。これは16世紀、「ブラッディー・メアリー」と悪名高いメアリーI世(Wikipedia)の命によって火あぶりの刑にされた3人の英国教会の司教(Thomas Cranmer, Nicholas Ridley, Hugh Latimer)を追悼する碑。
噂によると、この碑を「これは実は、地下教会のてっぺんなんだ。」と言って旅行者からお金を騙しとって地下階段へと誘導する人がたまにいるのだとか。だけど、もしそんな人を見かけても騙されてはいけない。その階段を降りて行っても地下教会なんてありやしない。ただの公共のトイレがあるだけなので^^;
Magdalen Stをそのまま南に少し下って左に曲がると、Broad Stに差し掛かる。足元を見て歩いていると見つかる”Martyr’s cross”は、先ほどの司教が「ブラッディー・メアリー」によって火あぶりにされた場所として知られる。
image via britainunlimited.com
オックスフォードと言えばカリッジ
左手にあるのが皇太子妃雅子様が若き日に留学されていたベリオルカリッジ (google map)。皇太子さまの留学されていたマートンカリッジ(google map)、ユニバーシティカリッジ(google map)と並んでオックスフォードで一番古いカリッジ。2014年で創立750周年を迎えたばかり。
image via Edificios importantes de Oxford
ちなみにオックスフォードには全部で39のカリッジが存在し、その集合体としてオックスフォード大学が成り立っている。ベリオルカリッジ (google map)の隣にあるトリニティカリッジも(無駄に)大きい芝生の庭が印象的なきれいなカリッジなので時間があれば。おすすめカリッジに関してもう少し詳しい話は次の回の観光記事を参照。
ベリオルカリッジの隣りにあるのはトリニティカリッジ。もう少し進むと、左手に(3)Blackwell’s Bookstore (google map) が見えてくる。この一見小さな本屋さんにある部屋の一つは、本を売るためだけに用意された空間としてはヨーロッパで一番大きいのだとか。具体的には、10,000 平方フィート(930平方メートル)の空間に、全長5kmの本棚が並んでいてギネスブックにも登録されている。この小さな町にその巨大空間を生み出すために、なんと部屋の一部はトリニティーカリッジ(google map)の地下に広がっている。興味のある方はウォーキングツアーも用意されているのでカウンターで聞いてみるといい。
いよいよオックスフォードの中心へ
Blackwell’sの向かいに見えるのは、(4)Sheldonian Theatre (google map)。これを建築したのは、クリストファー・レン(Wikipedia)というロンドンのセント・ポール大聖堂も手がけた有名建築家。以前にもブログで書いたように、オックスフォード大学に入学を許可された学生は皆、ここで”Matriculation”という式典に参加して、晴れてオックスフォードファミリーの一員となる。
Sheldonian Theatreの隣りにある立派な門のような建物は、Clarendon Building (google map)。かつてはオックスフォード英語辞典でも有名なOxford University Pressの建物だったものが、現在ではオックスフォード大学のBodleian Libraryの一部となっている。
Sheldonian Theatre (google map)を越えたところで右に曲がって少し歩くと、左手に見えてくるのが(5)Bridge of Sighs (google map)。ハートフォードカリッジの2つの建物を結ぶ橋で、その見た目がイタリア・ベネチアにある有名なBridge of Sighsに似ていることからそう呼ばれている。
もう少し進むと、オックスフォードの顔とも言える、(6)Radcliffe Camera (google map)が見えてくる(Wikipedia)。これは1749年に建てられた図書館で、Cameraとはラテン語で「丸天井の部屋」という意味。基本的にはオックスフォード大学の関係者か認可証を持った人しか入れないけれど、日曜日であれば、Bodleian Libraryが行っているガイドツアー(Explore the Reading Rooms. Extended Tour – 90 minutes.)に参加することで中に案内してもらえる。日曜日でなくても、ツアーには他にも何種類かあって、ショート一時間のStandard Tourであっても、ハリー・ポッターの撮影に使われたDivinity School (google map)や図書館の中を案内してもらえる。詳しくは「Tour Information – Bodleian Library」から。
image via oxforduniversitystores.co.uk
Radcliffe Cameraの隣にそびえる(7)St. Mary’s Church (google map)。実はここには上ることができる。中に入って係の人に言えば3ポンドでオックスフォードの上からの景色を堪能できる。
お昼ご飯休憩にカバードマーケットへ
さて、そろそろ疲れてお腹も空いてきたというのなら、(8)Covered Market (google map) に行ってみるのも手。St. Mary’s Church (google map)の南側のHigh Stという大きな道に出て、右に曲がって西に少し歩く。すると、右手にCovered Marketへの入り口が見えてくるはず。イギリスっぽいものが食べたいのであれば、PieministerというCovered Marketに入っているミートパイのお店が人気。あとはSasi’s Thai Restaurantというタイ料理のお店も人気。
オックスフォードはアリスのふるさと
ご飯休憩が終わったら、Covered MarketからHigh Streetに戻り、右に曲がって西方向へ。すると、Carfax Tower (google map)という時計塔が見えてくるので、そこで左に曲がってSt Aldates Stを南へ。すると、右手に(9)Alice shop (google map)が見えてくる(Wikipedia)。
ここはもともと、「シープショップ」という名の雑貨店で、ルイス・キャロルはこのお店を「The Old Sheep Shop」という名前で『鏡の国のアリス』で登場させている。この店はいつもおみやげを買っていく観光客で賑わっている。
image via Wikipedia
アリスショップをでて、その向かいの門からお庭に入って少し進むと、左手にハリー・ポッターの撮影で使われたことでも有名な(10)クライスト・チャーチ(google map)がある(Wikipedia)。中を見るためには、大人は7ポンド、学生は5.5ポンド必要。ピーク時はもう少し高かったりする。(ちなみにオックスフォード大学の学生の友達と一緒ならただで入れる) オープニングアワーは、基本的には朝の10.15am – 4.15pm。だけど、ハリー・ポッターの撮影で使われたダイニングホールは11.45 am – 2 pmまではクローズしているので、2pm以降を狙うのがいい。
image via The Musings of Miss M.
より詳しいカリッジの話は次回の観光記事を参照。
クライスト・チャーチ探索が終わって天気が良ければ(11)クライスト・チャーチメドウ(google map)を散歩してみるのもおすすめ。
こんな感じで、オックスフォードの主要観光スポットは回れるんじゃないかな、って感じです。
おまけ
最後に、ゆっくりとカフェでくつろぎたいのなら、台湾バブルティー(タピオカティ)のお店、(12)Formosan Tea Bar (google map) がおすすめ。オックスフォード市内には他にも2つ似たお店があるけど、このFormosanこそがオックスフォードで最初のバブルティ屋さん。チェーンのバブルティ屋だとインスタントの粉末でお茶を作ったり人工的な色を使ったポップなものも多いけれど、ここでは80年代に台湾でバブルティが生まれた当時の味と手法にこだわっているのだとか。だから茶葉もタピオカも台湾から直輸入して丁寧にお茶を作っている。人気のお店なので夏の期間はとても混み合っていることが多いけれど、運が良ければ中には掘りごたつのティールームもあって、日本人のバイトも何人かいるので一日の疲れを癒せるかも。フリーWi-Fiもあるので便利!結構わかりづらいところにありますが、クライスト・チャーチメドウからは、隣のマートンフィールド沿いのMerton Walkを北上してクネクネくねっと裏路地を歩いていけばたどり着けます。(※とてもお洒落なお店ですが、バーの中の写真やメニューを撮るのは禁止らしいので注意!)
こんな感じで今回はとってもスタンダードなモデルコースを紹介しました!次回はもう少しマニアックなモデルコースを紹介します(*^^*)
ここにのっていない場所で他にもオススメの場所とかあれば是非コメント欄にお願いします!また、何か質問等あれば、メールやラインからお気軽にご連絡ください(*^^*)
関連記事
もっとオックスフォードを知りたい人のために、おすすめカレッジ10選も公開しました!
ところで、以前に1941年に作られたオックスフォード大学のプロモーション動画を紹介しましたが、半世紀以上たった今でもほとんど町並みは変わっていません。観光をしながら比較してみるのも面白いはず!
また、オックスフォードにも他の市と同様、観光バスも走っています。大人13.5ポンド、学生11.5ポンドで一日中乗ったり降りたりし放題なので興味のある方は以前に書いた記事をどうぞ。
あと、ケンブリッジの友人が「ケンブリッジを観光しよう!ケンブリッジ一日観光モデルコース」を公開していますのでこちらもぜひ!
著者紹介:
高専在籍時にAFSの53期生としてアメリカのオレゴン州で一年間地元の高校に通う。帰国後アメリカのアーカンソー大学フェイエットビル校に編入し2011年に理学士コンピューターサイエンス、2012年に教養学士心理学を修了。2012年秋よりオックスフォード大学にて、博士号課程で計算神経科学を勉強中。色々と大変ですが、常に色んな事に挑戦しながら精一杯頑張ってます。
詳しくは自己紹介ページよりどうぞ^^
@uminimalist 2016年8月4日 - 3:26 PM
https://t.co/tocnJI4WKe
オックスフォードのこの記事とても読みやすくまわりやすいです。今パイやさん。 https://t.co/IdLvloXGvt
@coffeeandchoco7 2016年8月5日 - 4:05 AM
オックスフォードを観光しよう 2. 一日観光モデルコース https://t.co/777QukilwG @hogsfordさんから
ISAMU HATTORI 2017年4月16日 - 9:48 PM
懇切丁寧な案内をありがとうございました。おかげさまで初めてのオックスフォードの観光をヒースローのエアポートホテルから出発して無事満足な一日を過ごすことができました。結局、3時間余りの時間をAshmolean Museumで過ごし、パプで急速してリターンチケットでホテルに帰りましたが、大変満足することができました。またつぎの機会に残りを観光したいと思っています。
ご報告と御礼まで。
服部勇・倫子
Aki 2017年4月16日 - 10:25 PM
わざわざご連絡ありがとうございます。オックスフォード観光、楽しんでいただけたようで何よりです!またぜひお越しください^^
Aki