【読書記録】わたしを離さないで (カズオ・イシグロ著, 土屋政雄訳)
新しい世界が足早にやってくる。科学が発達して、効率もいい。古い病気に新しい治療法が見つかる。すばらしい。でも、無慈悲で、残酷な世界でもある。そこにこの少女がいた。目を固く閉じて、胸に古い世界をしっかり抱きかかえている。心のなかでは消えつつある世界だとわかっているのに、それを抱きしめて、離さないで、離さないでと懇願している。私はそれを見たのです。
「作品は作者の魂を見せる」残酷な運命に生まれしかし幸せを夢見て小さな頭を懸命に働かせる子供達。世界を知るにつれ現実を受容しながらも心の奥では希望の炎は揺らめき続ける。運命は変えられずともそれを精一杯輝かせようとする人生は彼らの全てが詰まった作品だと思った。
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著者紹介:
高専在籍時にAFSの53期生としてアメリカのオレゴン州で一年間地元の高校に通う。帰国後アメリカのアーカンソー大学フェイエットビル校に編入し2011年に理学士コンピューターサイエンス、2012年に教養学士心理学を修了。2012年秋よりオックスフォード大学にて、博士号課程で計算神経科学を勉強中。色々と大変ですが、常に色んな事に挑戦しながら精一杯頑張ってます。
詳しくは自己紹介ページよりどうぞ^^




