【読書記録】パラレルワールド・ラブストーリー (東野圭吾)
もう忘れたい。はじめっから、彼女は僕の恋人なんかじゃなかった、そういうことにしたいんだよ。そうしなきゃ、これから先も生きていけそうにない。…
記憶は時には人を縛るものなんだよ。今、僕を苦しめているのは記憶なんだ。それを取り除いてほしい。
一つの世界に生きながらして、誰しも自分の中の記憶が形作る世界にも生きる。それはまるでパラレルワールドの如く。「どれだけ近づいても、双方の空間に交流がない。あちらはあちらで、こちらはこちらで世界が完結している」。人の心に深い爪痕を残すものは、現実世界にあった過去ではなく、記憶の世界に組み込まれたその過去。一人の男は失われた刹那の幸せが残した絶望を嘘に変えるため、そうしてもう一人は弱い自分に対する悲しみと苦痛から逃れるために記憶の世界を書き換えた。脳の反応が幸せを定義するという科学の解明した現実の味気なさと、そんな世界で戸惑いながらも生きる若者たちの切ないラブストーリー。
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著者紹介:
高専在籍時にAFSの53期生としてアメリカのオレゴン州で一年間地元の高校に通う。帰国後アメリカのアーカンソー大学フェイエットビル校に編入し2011年に理学士コンピューターサイエンス、2012年に教養学士心理学を修了。2012年秋よりオックスフォード大学にて、博士号課程で計算神経科学を勉強中。色々と大変ですが、常に色んな事に挑戦しながら精一杯頑張ってます。
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