オックスフォードな日々

とあるオックスフォード大学院留学生のブログ

【読書記録】眉山(さだまさし著)

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お前はきっつう言われて腹立つばかりかもしれんけどな、寺澤。ほらあ、言う方がもっと疲れるんぞ。目の前では耳障りのええことばかり言うて、陰でこそこそ言うのがお前らの時代のやり方かもしれんが、お龍さんはな、相手を思えば思うだけ、はっきりと言うお人じゃ。言わなんだら、相手のためにならん、と思うから、自分はほらあ疲れるけんどな、無理無理元気だして怒る。ほれがほんまの愛情なんや

限られた文字数とリズムの中で、数えきれない程の物語を生み出してきた著者だからこそ生み出せる世界がここにある。音が聞こえてくる。夏の訪れを告げる蝉しぐれ、不意に降りだす雨音、聞こえてくる三味線の音。凛として生きた一人の美しい女性の人生を通じて、人一つの命の後ろにある長い人生の重みが浮かび上がってくる。彼の紡ぎだす言葉の糸一本一本の繊細さとそれで織られる絹の美しさに涙し、そして善く生きることの尊さを改めて学ぶ。


著者紹介:

高専在籍時にAFSの53期生としてアメリカのオレゴン州で一年間地元の高校に通う。帰国後アメリカのアーカンソー大学フェイエットビル校に編入し2011年に理学士コンピューターサイエンス、2012年に教養学士心理学を修了。2012年秋よりオックスフォード大学にて、博士号課程で計算神経科学を勉強中。色々と大変ですが、常に色んな事に挑戦しながら精一杯頑張ってます。
詳しくは自己紹介ページよりどうぞ^^

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Aki • 2014年8月13日


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