【読書記録】手紙 (東野圭吾著)
人には繋がりがある。愛だったり、友情だったりするわけだ。それを無断で断ち切ることなど誰もしてはならない。だから殺人は絶対にしてはならないのだ。そういう意味では自殺もまた悪なんだ。自殺とは、自分を殺すことなんだ。たとえ自分がそれでいいと思っても、周りの者もそれを望んでいるとはかぎらない。君のお兄さんはいわば自殺をしたようなものだよ。社会的な死を選んだわけだ。しかしそれによって残された君がどんなに苦しむかを考えなかった。衝動的では済まされない。君が今受けている苦難もひっくるめて、君のお兄さんが犯した罪の刑なんだ
どんなに深く決して変わることのないと信じた感情も、移りゆく境遇がそれをいとも簡単に変えてゆく。大切なものができ、守るべきものが生まれた時、過去の自分を支えたそんな大切な思いも、皮肉なことに今を生きるためには苦にさえ変貌しうる。本音と正義との感情が矛盾する時、「正々堂々と生きる」という尊い精神は一体誰を幸せにするのだろうかと問う。人の弱さと社会の理不尽に胸を締め付けられ幾度と無く涙し、自分の為に生きる人生の価値について考えさせられた。
著者紹介:
高専在籍時にAFSの53期生としてアメリカのオレゴン州で一年間地元の高校に通う。帰国後アメリカのアーカンソー大学フェイエットビル校に編入し2011年に理学士コンピューターサイエンス、2012年に教養学士心理学を修了。2012年秋よりオックスフォード大学にて、博士号課程で計算神経科学を勉強中。色々と大変ですが、常に色んな事に挑戦しながら精一杯頑張ってます。
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