【読書記録】椿山課長の七日間 (浅田次郎 著)
この世に百の恋愛があるとする。でもそのうちの九十九は偽物よ。なぜかって、自分のための恋愛だから。私は、百のうちにひとつしかない本物の恋をしていた。それは、すべてを愛する人に捧げ尽くせる恋愛です。あの人のためなら命もいらない。お金も、誇りも、私自身の恋する心すらもいらない。..
恨みも憎しみもすべて愛する心にくるみこんで、背筋を伸ばし、にっこりと笑って言わなければ。「ありがとうございます」って。..
人間は「ありがとう」を忘れたら生きる資格がないんだよ。
真実は必ずしも人を幸せにはしない。相手の平安と幸せを願うのであれば、知らぬが仏ということもある。そして、その目的を達成する手段として嘘こそが必要とされる場合もある。そうやって、潔癖と怯懦とを象り守られてきた一つの嘘が、しかし死後、現世に舞い戻った主人公に意図せぬ形で明かされる。本当の愛、本当の男らしさや強さとは一体何なのか。弱き者を扶け、理不尽に抗い、そして滾る怒りをことごとく優しさに変えて生きた父の人生にその答えはあった。心が温まる素敵な一冊。
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著者紹介:
高専在籍時にAFSの53期生としてアメリカのオレゴン州で一年間地元の高校に通う。帰国後アメリカのアーカンソー大学フェイエットビル校に編入し2011年に理学士コンピューターサイエンス、2012年に教養学士心理学を修了。2012年秋よりオックスフォード大学にて、博士号課程で計算神経科学を勉強中。色々と大変ですが、常に色んな事に挑戦しながら精一杯頑張ってます。
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