オックスフォードな日々

とあるオックスフォード大学院留学生のブログ

【読書記録】バレエへの招待(鈴木晶)

『コッペリア』以降、パリ・オペラ座は優れたバレエを生み出すことはなかったと述べましたが、実際、二十世紀の初頭には、西ヨーロッパ全般にわたって、バレエは軽い芸能・娯楽になっていて、バレエを芸術だとみなす人は殆どいませんでし…

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【読書記録】バレエ入門(三浦雅士)

コスモロジーという言葉があります。ふつう、宇宙論と訳されますが、死生観と訳したほうがいい。自分が生まれて生きて死んでゆくそのことが、世界のなか、宇宙の中でどんな風に意味を持つのか、そのことを納得したい。人間、誰でもそう思…

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【読書記録】終わりのない旅 (吉田都)

バレエは、言葉を使わずにストーリーや感情を表現し、伝える芸術です。そして、バレエの物語に登場するキャラクターには、ファンタジーの主人公たちのなんと多いこと。だからこそのトゥシューズなのです。高貴なお姫様の品格のある佇まい…

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【読書記録】メイド・イン・ロンドン(熊川哲也)

「天才は変わることが大切だ」モーツァルトを描いた映画『アマデウス』にたしかそんな一節があると、友人から聞いたことがある。自分がモーツァル並の天才だなどと言うつもりはないが、この言葉は「決断せよ」と僕の胸に迫ってくる。 そ…

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【読書記録】すべてがFになる The Perfect Insider (森博嗣)

僕ら、研究者は何も生産していない、無責任さだけが取り柄だからね。でも、百年、二百年先のことを考えられるのは僕らだけなんだよ.. 二十代は、遮二無二勉強をした。研究だけに時間を使ってきた。目の前にある自分だけの問題に興奮し…

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【読書記録】あしたのロボット(瀬名秀明)

ロボットというのは、希望の装置なんだと思っています。それは挫折と表裏一体です。希望をいだかせるからこそ、常に挫折感が残る。つくった側も、使った側も、常に無念さを味わう。..今はだめだろう、でも次の時代には、次の時代にはっ…

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【読書記録】むかし僕が死んだ家 (東野圭吾 著)

うまく説明できないんだけれど、わかりやすくいうと、夢の時間はもうおしまいにしようって気になったの.. あなたといると居心地がよかった。でもね、このままじゃいけないんじゃないかって、ある時急に思ったの。周りを拒絶し続けて、…

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【読書記録】椿山課長の七日間 (浅田次郎 著)

この世に百の恋愛があるとする。でもそのうちの九十九は偽物よ。なぜかって、自分のための恋愛だから。私は、百のうちにひとつしかない本物の恋をしていた。それは、すべてを愛する人に捧げ尽くせる恋愛です。あの人のためなら命もいらな…

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【読書記録】裏庭 (梨木香歩 著)

あらわになった傷は、その人間の関心を独り占めする。傷が、その人間を支配してしまうのだ。本当に癒やそうと思うなら、決して傷に自分自身を支配させてはならぬ。.. 無理に治そうなんてしないほうがいい。薬つけて、表面だけはきれい…

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【読書記録】BRAIN VALLEY〈上下〉 (瀬名秀明 著)

「残念ながら、神は実在しないのだ。我々ヒトの脳が自分自身のために作り上げた幻覚だ。…だが、この『神』という幻覚こそ、ヒトという生物の謎を解く鍵だと私は考えている。 いったい『神』とはいつ現れた概念なのだろうか。ヒトが発明…

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【読書記録】青函トンネルから英仏海峡トンネルへ―地質・気質・文化の壁をこえて (持田豊著)

英仏においては、社会的経済基盤の大きな技術は、すでに十九世紀から二十世紀前半までにほとんど終わってしまった。それは当時、世界のトップを走る有用で斬新な技術の開花期でもあった。その後、社会的要請の緊急なものが、ここ数十年は…

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【読書記録】変身(東野圭吾著)

あんたには分からないさ。脳を特別の存在と考えてはいけない、なんていってるあんたにはな。脳はやっぱり特別なんだ。あんたに想像できるかい?今日の自分が、昨日の自分と違うんだ。そして明日目が覚めた時、そこにいるのは今日の自分じ…

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