オックスフォードの入試から一年か。
3月31日という日付を見てふと思い出した。
あぁ、オックスフォード大学の入試のために渡英してからもう一年か。
TAに実験に忙しい中、結構まじめに準備して、たった2泊3日の予定で3月31日に渡英。
スカイプ面接も可能との事だったけど、イギリス英語が聞き取れない不安もあって直接行くことに。
僕の場合、修士は行かずに直接博士プログラムだったから、面接内容は20分ほどのリサーチプロポーザルに関するプレゼンテーション。
パワーポイントを作っていったんだけど、デザイン崩れるのが嫌だったからpdfにして持っていった。
面接官の名前は解っていたから、googleで写真とかを探して名前と彼らのリサーチバックグラウンドとかも覚えてから会場へ。
結構気持ちも落ち着いてて、軽く挨拶をしたところで、しかし問題発生。
用意されていたパソコンにpdfリーダーが入っていなかったのだ・・!!!
ネットもつながってなくてすぐにインストールも出来ない・・。
面接官が声をかけてくれたので、
「助け舟?」
と思ったら
「まぁ、仕方ないね。時間もないから、スライドなくても構わないから始めて。」と。
「・・・なん・・・・だと・・・・・」
冷たい汗がタラ~と。
でも、どうしようもない。
「あ、わかりました!(^-^)/」
と心底焦りまくりなのに笑顔で答えてプレゼン開始。
ただ幸い、飛行機の中でしっかり練習してきただけあって一応言うことは全部頭に入ってて、とりあえず問題なく最後まで。
だけどホテルまでの帰り道、
頭の中は真っ白。
ホテルについて、シャワーを浴びて
「あぁ、London bridge fell downしたな。」
とか上手くもないことをつぶやいてたら、
ホテルのフロントから電話が。
教授が会いに来てるとのこと。
超ラフな格好をしてたから、慌ててスーツ着て、ネクタイ絞めて、階段を降りて行ってみると、ロビーに教授がウィスキーもって立っていた。
(・・え、これってもしかして・・)
という思いを抑えて、とりあえず挨拶をすると
彼はこう切り出した。
「うちの学校はね、家柄で学生をとってるんじゃないか。ってよく非難されるんだ。
だけどね、本当はそうじゃないんだ。」
ドキドキしながら首を傾げると彼はこう続けた。
「わかりやすい例を挙げようか。
今日の面接で最後まで残った学生の中に、学業面でとても優れている学生がいた。
しかし彼の印象は最悪だった。彼はネクタイなんてする必要がないと考えたのだろう。
もちろんそれが直接的な原因ではないよ。
でもうちの学校はね、未だにそんな些細なことを気にするんだよ。
伝統や慣習的な礼儀、常識をないがしろにする人は、ここの文化にはそぐわない。」
そして俺のことを見て、笑顔になり、
「君はとってもオックスフォードらしい。
合格を伝えに来たよ。おめでとう。」
!!!!!!!!!!!!
この時、あまりのかっこ良さに涙出るかと思った。
で、その後すぐに嬉しさがジワジワと。
MITに相手にもされず、もういいさ。へっ。とかすねてたけど、
突然オックスフォードに来たくなった。
あれから、丁度一年。
この気持ちをずっと忘れないで、これからも頑張っていきたいと思う。
著者紹介:
高専在籍時にAFSの53期生としてアメリカのオレゴン州で一年間地元の高校に通う。帰国後アメリカのアーカンソー大学フェイエットビル校に編入し2011年に理学士コンピューターサイエンス、2012年に教養学士心理学を修了。2012年秋よりオックスフォード大学にて、博士号課程で計算神経科学を勉強中。色々と大変ですが、常に色んな事に挑戦しながら精一杯頑張ってます。
詳しくは自己紹介ページよりどうぞ^^
ブルン 2013年4月1日 - 5:37 PM
1. 無題
なんだかとってもオックスフォードらしいお話という気がします。(^ ^)
http://ameblo.jp/brunn/
Aki 2013年4月1日 - 6:00 PM
2. 無題
コメントありがとうございます。
はい、それまでは特にオックスフォードに思い入れがあったわけではないのですが、この日、すっかり心を鷲掴みにされてしまいました^^
本当はカナダの学校の研究室も校風もとても好きで、そちらと最後まで迷ったんですが、結局決めてになったのはこの経験だったかな。と思います笑
http://ameblo.jp/hogsford/