Thesis submitted. 博士課程の4年半を時系列で振り返ってみた。
前回の記事から4か月。これでようやくラストスパートだ!と最後の力を振り絞り、そして遂にゴール手前まで辿り着きました!2017年3月27日、研究成果をまとめた博論を完成させ、それをexamination schoolに提出完了。これであとは、数か月後の口頭試問を残すのみとなりました^^
Thesis printed.
Posted by Akihiro Eguchi on 23 Martie 2017
そんなわけで今回は、この4年半を振り返ってみようと思い、タイムラインを作ってみました!誰得って感じですが、これを通じてオックスフォード大学の博士課程の雰囲気を知ってもらえたらと思います^^
2012年
2013年
カガクシャネットヨーロッパ支部立ち上げ
留学支援の学生団体、カガクシャネットのヨーロッパ支部の立ち上げをJSPSの集まりで報告。「The European Branch of Kagakusha.net」
02/04/2013
2014年
論文1. Published
Eguchi et al. (2014). Color opponent receptive fields self-organize in a biophysical model of visual cortex via spike-timing dependent plasticity. Frontiers in Neural Circuits, 8(16). [pdf]
03/12/2014
アメリカEXPO 2014に寄稿
昨年に続き、カガクシャネットの活動の一環として、アメリカEXPO2014で配布される冊子に寄稿しました。「アトムの夢と留学が教えてくれた可能性。夢を追うということ」
09/13/2014
カウントダウン花火 in London
初めてのカウントダウンに参加。

via The Guardian
「世界最高都市としてのプライド?ロンドン大晦日カウントダウン花火ショー」
12/31/2014
2015年
サマースクール参加
ドイツ オスナブリュック大学にて神経系における情報処理に関するサマースクールに参加。
「内気でもサマースクール参加しまくれば学会ボッチにはならない 〜計算神経科学サマースクールリスト」
05/01/2015 - 05/10/2015
論文3. Published
Eguchi et al. (2015). Computational Modelling of the Neural Representation of Object Shape in the Primate Ventral Visual System. Frontiers in Computational Neuroscience, 9(100). [pdf]
08/04/2015
Confirmation Status of Viva
博士課程の第二関門、Confirmationを無事終える。「オックスフォード博士課程3年目のConfirmationを終えて残りあと一年。」
10/05/2015
論文5. Published
Eguchi & Stringer (2016). Neural Network Model Develops Border Ownership Representation through Visually Guided Learning. Neurobiology of Learning and Memory, 136, 147–165. [pdf]
10/13/2015
論文4. Published
Spoerer & Eguchi (2016). A computational exploration of complementary learning mechanisms in the primate ventral visual pathway. Vision Research, 119, 16–28. [pdf]
12/08/2015
2016年
「PLANETS」インタビュー
批評誌「PLANETS」のメールマガジンに連載されている『現役官僚の滞英日記』で、著者の橘宏樹さんと僕の対談が掲載されました。「日本の若いビジネスマン層をターゲットに」ということで僕の留学体験や計算神経科学・人工知能の今とこれからについて色々とお話させていただきました。
「インタビュー企画「オックスフォード大生の素顔」で人工知能について語ってみた。」
01/30/2016
論文5. Published
Eguchi et al. (2016). The visually guided development of facial representations in the primate ventral visual pathway: A computer modeling study. Psychological Review, 123(6), 696–739. [pdf]
11/01/2016
論文2. Published
Eguchi et al. (2016) Towards a Situation-Aware Architecture for the Wisdom Web of Things. In: Ning Zhing, Jianhua Ma, Jiming Liu, Runhe Huang, and Xiaohui Tao (eds.), Wisdom Web of Things (W2T), Springer. [pdf]
11/08/2016
2017年
論文6. Published
Eguchi et al. (2017). Representation of Color. In John Stein (ed.), Reference Module in Neuroscience and Biobehavioral Psychology. Elsevier. [pdf]
02/04/2017
論文7. Published
Eguchi et al. (2017). Understanding the Neural Basis of Cognitive Bias Modification as a Clinical Treatment for Depression. Journal of Consulting and Clinical Psychology, 85(3), 200-217. [pdf]
03/01/2017
この4年間半を振り返って
こうやってこの4年半を振り返ってみて、何度も挫折や絶望を味わい遠回りばっかりだなぁ、と残念に思う部分は多くあります。しかし同時に、それがなければ学べなかったこと、成長できなかったことも本当に沢山あったなぁ、と今だからこそ感じられる部分も少なくはありません。
なにより博士課程一年目、僕は研究が思い通りに進まない時ほど人を遠ざるような人間でした。誰かと喋っている暇があるのなら、その分も研究に費やすべきだと自分を律し、そして少しでも長い時間自分を研究室に監禁することこそが一番の近道だと本気で考えていました。それに加えて、短期間で博士を修得して帰国することしか考えていなかったため、別にこれが自分の人生で一番辛い3年間になっても構わないと考え、オックスフォードというこの街を肌で感じてそして良い思い出を作ろうは考えませんでした。しかし結果得たものは、そうやって失ったものほどに多くはありませんでした。長く付き合った恋人までも失い、そこでやっと初めて自分の迷走ぶりに気づきました。
人はコンピュータではないという、そんな単純なことを当時の自分は理解できていなかったのでしょう。正論が必ずしも人を幸せにするとは限らず、また一見非効率なことが実は結果として一番効率的であったりすることなどいくらでもあるということ。あの頃の自分は、自分の人間味を押し殺すことで優れた効率性を得られると信じていたけれど、結局どうあがいてもやっぱり自分は人間だということ。無理をすればその弊害が精神面にすぐに表れてしまうということ。これらのことを学べただけでも、自分にとってこれは必要な経験だったのだろう、と今では思うことができます。
今お付き合いしている彼女と出会ってからは、社交的な彼女のお陰で友人の輪も広がり素敵な多くの出会いにも恵まれました。そして、ストレスフルな研究生活の中でも、そんな人々との交流がよい緩和剤となり、結果、研究も面白いほど順調に進むようになりました。
このブログの読者の中には、過去の僕と同じように負のスパイラルに陥って抜け出せずにもがき苦しんでいる方もいるかもしれません。もしそうであればとりあえず一旦、自分を追い込むことをやめて、自分に優しく接する勇気を持ってみたら、何か変わるのではないかと思います。案外それが、その負のスパイラルから抜け出すヒントになるのではないかな、と思ったりしているからです。
さて、今回博論の提出は終えましたが、まだ数か月後には最後の難関、口頭試問が待ち受けています。最後の最後でこけないように頑張ります^^
著者紹介:
高専在籍時にAFSの53期生としてアメリカのオレゴン州で一年間地元の高校に通う。帰国後アメリカのアーカンソー大学フェイエットビル校に編入し2011年に理学士コンピューターサイエンス、2012年に教養学士心理学を修了。2012年秋よりオックスフォード大学にて、博士号課程で計算神経科学を勉強中。色々と大変ですが、常に色んな事に挑戦しながら精一杯頑張ってます。
詳しくは自己紹介ページよりどうぞ^^





Aki (@hogsford) 2017年4月2日 - 7:06 AM URL
久しぶりにブログ更新しました!博士課程の4年半をタイムラインでまとめてみました。博士課程ってどんなものかなーと興味があればぜひ^^「Thesis submitted. 博士課程の4年半を時系列で振り返ってみた。」 https://t.co/0KBfTs6qye
HajimeShinohara篠原肇 (@HajimeShinohara) 2017年4月2日 - 10:58 PM URL
事件おき過ぎじゃないっすか・・・!? Thesis submitted. 博士課程の4年半を時系列で振り返ってみた。 https://t.co/8bfyUCtTjw via @hogsford
真理 2018年2月14日 - 11:03 PM URL
初めまして、神経科学の分野で研究者を目指す日本の学部二回生です。
最初の恋人さんと5年間も付き合ったにもかかわらず別れてしまったことに、衝撃を受けました。私もすごく大事だな、と思える人ができたのですが、自分のやりたいことを追いかける上で、一箇所に留まることはないだろうと思い、恋愛にどれくらい本気になっていいものかと思い連絡させていただきました。
恋愛に関してはどういう考え方をお持ちですか?
Aki 2018年2月15日 - 2:32 AM URL
初めまして。コメントありがとうございます。失恋は程度の差こそあれ、余程幸運な人を除けば誰しも経験するものだと思っています。僕は、当時の恋人との5年間があったからこそ今の自分があると感じています。そしてこの記事の最後にも少し書きましたが、この失恋があったからこそそれまで気づくことのできなかった多くのことを学ぶことができました。してしまった事への後悔よりも、しなかったことに対する後悔のほうが人はずっと引きずるもので、将来の不確定要素を案じ意に反してまで自分を律する必要はないのではないでしょうか。縁あれば一生を共にする大切な人になるのでしょう。案外、そういう直感こそ、真理への近道ではないかと考えています。