オックスフォードな日々

とあるオックスフォード大学院留学生のブログ

留学準備にCourseraは便利

Courseraは、stanford大学のAndrew Ng教授らによって2012年の始めに始まったオンライン学習プラットフォーム。

以前からMITのOpencoursewareとか、大学で行われた講義をオンライン上で公開するというものはあったけれど、それは「オンラインコースを受講する」という感覚とは程遠いものだった。
ビデオで撮影された黒板は必ずしも見やすいものではないし、全ての資料や試験などがオープンであることは稀であって、オープンにしたと言えどもどうしても越えられない壁があった。

このCourseraの新しかったことは、初めからオンラインプラットフォームで学ばれることを目的としたコースが大学の教授により開講された事と、登録した誰もがそれらを無料で受講することを可能にしたこと。

(追記:鉄火のマキさんの右往左往のイギリス大学受験記にCourseraの記事があったので、興味が有る方は→「欧米の有名大学の講義が無料で受けられるCoursera の可能性」)

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実はCourseraは突然Courseraとして始まったわけではなくて、2011年の末にNg教授のMachine Learning講義を配信するためのプラットフォームとして作られた。だから当時はURLもhttp://www.ml-class.org/

僕は当時アメリカでコンピュータ・サイエンスを勉強していて、この情報をIEEEのニュースで8月に読んでからwaiting listにまで登録して、第一回目の受講生になった。

あの頃とっても忙しく、世界中を飛び回りながら空港での待ち時間とかにも受講してたのを覚えてる。

同時に同じスタンフォードの教授によって異なるプラットフォームを使ったA.I.のコースも開講されて受講したけれど、それと較べてもこのサービスの使い勝手の良さはずば抜けていた。
というか、今Courseraで使われているあのプラットフォームはその時に既に完成されていて、毎週のビデオレクチャーと、ビデオ内のクイズ、そして週ごとの小テストと課題という形式もその時と変わらない。

そして何よりも、あの画期的な倍速再生の仕組み

始めて1.5倍速再生でレクチャーを聞いた時の感動を忘れはしない。

物事をどれだけ早く考えられても、舌が回らなければそれを分かりやすく説明することは出来ない。
だからどんなに頭の良い人の講義であっても、彼らのアウトプット速度には制限がかかる。
だけど一方で、人間のインプット速度は必ずしもそれと吊り合わない。

読書なんて言うのがわかり易い例で、音読していたら日が暮れてしまう本でも、黙読すればその何倍ものスピードでインプットが出来る。

この1.5倍再生機能というのは、それをレクチャーの世界においても適応できると体感した始めての経験だったから、嬉しくって仕方がなかったのを覚えてる。
その時、「未来のレクチャーの形式は絶対にこの方向に変わっていくだろうな。」と確信してtwitterでもつぶやいている。

それはそうと、今日のタイトルは「留学準備にCourseraは便利」。
留学が初めてで、「留学して、授業についていけるかな・・」とか、そういった不安のある人は、Courseraの興味のあるコースを一つでも受講してみるといいと思う。

http://www.coursera.org/

コースにもよるけれど、各コースが8週間前後の長さで、それぞれのビデオは10分から20分程度に区切られているからちょっとした合間にでも進めることが出来る。TOEFLのiBTの試験には、短いレクチャーを聞いて問題に答えるセクションもあったと思うけど、Courseraのコースはこのセクションの練習としても役に立つと思う。

今オファーされているコース一覧はhttps://www.coursera.org/courses

ちなみに僕は今までにMachine learningも含めると3つのコースを受講した。
そして今は2つ受講中。丁度先週からはSynapses, Neurons and BrainsというJerusalem大学のコースが始まって、今週からはMedical NeuroscienceというDuke大学のコースが開講されたのだ。
そして来週からはComputational NeuroscienceというWashington大学のコースも始まる。
神経科学固まりすぎだろ!って感じだけれど、とりあえず全部始めるだけ始めてみて、最終的に面白そうなのを一つだけ最後までやりたいな、と思ってる^^;
これでメインの研究に支障が出たらどうしようもないからね。笑

でもこの流れがとっても嬉しい。
人が学ぶのは、学びたいから。知らないことを知りたいから。
知識を得ることに価値を見出すという、学問の原点回帰。
近い将来の、過度な学歴主義の崩壊と純粋な実力主義の時代の訪れを予感させる。
・・まぁ、日本じゃまだずっと先なんだろうけどな・・。

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著者紹介:

高専在籍時にAFSの53期生としてアメリカのオレゴン州で一年間地元の高校に通う。帰国後アメリカのアーカンソー大学フェイエットビル校に編入し2011年に理学士コンピューターサイエンス、2012年に教養学士心理学を修了。2012年秋よりオックスフォード大学にて、博士号課程で計算神経科学を勉強中。色々と大変ですが、常に色んな事に挑戦しながら精一杯頑張ってます。
詳しくは自己紹介ページよりどうぞ^^

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Aki • 2013年4月10日


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Comments

  1. 鉄火のマキ 2013年4月10日 - 9:44 午後 URL

    1. ブログ紹介くださってありがとうございます
    東大が参加することになってマスコミでも取り上げられることが増えたMOOCsですが、日本の学生がやってるよ、という話はあまり聞きません。

    余計なことを勉強する時間がないのかもわかりませんが、Akiさんのように意欲的に外の世界で勝負をかけるような方たちがもっともっと増えることを切望します。
    http://ameblo.jp/tekkanomaki/

  2. Aki 2013年4月11日 - 7:31 午前 URL

    2. Re:ブログ紹介くださってありがとうございます
    >鉄火のマキさん
    コメントありがとうございます。鉄火のマキさんのブログ記事は、内容も面白く文章もまとまっていて読みやすいので先日から楽しく読ませて貰っています。

    日本の友達の話を聞いていると、どうも学問そのものよりも学校名ばかりが興味の対象になる傾向があるようなので、いつもそれをとてももったいないことだと感じています。マキさんの記事のコメント欄にあったように、この流れから「貧しい国の子供にいきなりシリコンバレーからスカウトが来る時代」が訪れれば、日本の大学における学問の在り方もいい方向に変わっていくのではと期待しています。これからが楽しみです。
    http://ameblo.jp/hogsford/

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